横浜市鶴見区の歯医者、鶴見豊岡こどもおとな歯科です
今日のテーマは・・・・
【過蓋咬合とは?】子どもの歯並びで注意したい深いかみ合わせ
お子さんの歯並びを見て、「前歯が深くかぶさっているな」と感じたことはありませんか?
この状態を 過蓋咬合(かがいこうごう) と呼びます。
過蓋咬合は見た目の問題だけでなく、歯や顎の健康、さらには成長や発音にも影響を及ぼす可能性があります。この記事では、保護者の方が知っておきたい過蓋咬合の原因や弊害、治療の必要性について詳しく解説します。
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過蓋咬合とは?正常なかみ合わせとの違い
通常、上の前歯は下の前歯に対して2〜3mmほど重なるのが理想的です。
しかし過蓋咬合の場合、上の前歯が下の前歯を大きく覆い隠してしまい、下の前歯がほとんど見えない状態になります。
この「深いかみ合わせ」は、自然に治る可能性が低く、放置するとさまざまなトラブルを招くリスクがあります。
過蓋咬合の原因|なぜ起こるのか?
過蓋咬合は複数の要因が重なって発生します。
• 骨格の影響
下あごの成長が弱い、上あごが優位に発育している
• 歯並びの影響
前歯が内側に倒れている、奥歯の高さが不足している
• クセの影響
指しゃぶり、爪かみ、唇を噛むクセ、強い食いしばり
• その他の要因
乳歯の早期喪失、鼻呼吸のしづらさ(口呼吸習慣)
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過蓋咬合の弊害|放置するとどうなる?
過蓋咬合をそのままにしておくと、以下のような問題が起こりやすくなります。
1. 歯や歯ぐきのダメージ
• 下の前歯が上の歯ぐきに当たり、歯ぐきが傷つく
• 前歯がすり減りやすくなる
• 奥歯に負担が集中して割れやすい
2. 顎関節への悪影響
• 下あごの動きが制限される
• 顎関節症(音が鳴る・痛み・口が開けにくい)のリスク
3. 発音や口腔機能への影響
• サ行・タ行が不明瞭になる
• 飲み込み(嚥下)のクセが悪くなる
• 食べ物を丸飲みしやすくなる
4. 顔の成長・見た目の問題
• 下あごの成長が妨げられる
• 横顔が後退して見える
• 笑顔が不自然になりやすい
5. 心理的な悪影響
• 歯並びのコンプレックスを持ちやすい
• 自信がなくなり、人前で笑顔を出しにくくなる
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過蓋咬合はいつから治療を始めるべき?
過蓋咬合は自然に改善する可能性が低いため、早期発見・早期対応 がとても重要です。
乳歯期(3〜6歳)
• マウスピース型装置(例:プレオルソ)で予防的に対応可能
混合歯列期(6〜12歳)
• 永久歯と乳歯が混ざる「ゴールデンタイム」
• 顎の成長を利用して矯正治療がしやすい
永久歯列期(12歳以降)
• 成長の影響を受けにくくなる
• ワイヤー矯正や場合によっては外科的処置が必要になるケースも
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保護者ができること|家庭でのチェックポイント
• 定期健診を受ける(3〜6か月ごと)
• クセを観察する(指しゃぶり、口呼吸、爪かみ)
• よく噛む食事を取り入れる(顎の成長を促す)
• 少しでも気になったら相談する(「そのうち治る」ではなく、早めに歯科で確認)
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|過蓋咬合は早期発見・早期対応がカギ
過蓋咬合は、見た目だけでなく歯や顎、全身の健康にまで影響を及ぼすかみ合わせです。
放置してしまうと治療が難しくなり、将来的に歯のトラブルや顎関節症につながるリスクがあります。
混合歯列期までに気づいて対応することが、効果的で負担の少ない治療につながります。
お子さんの歯並びに不安を感じたら、早めに歯科医院へご相談ください。